グルタチオンは、細胞内の抗酸化物質として最も主要なもので、グルタミン酸、システイン、グリシン(いずれもアミノ酸)から成るトリペプチドである。細胞膜上にあるグルタチオン・S−トランスフェラーゼという酵素によってシスチンを合成して、細胞内のグルタチオン濃度を高めると細胞内の活性酸素や有毒物と結合(抱合)して自ら細胞外へ排出することで、細胞を解毒して障害作用から防御しています。
肌細胞においては、活性酸素による酸化ストレスを抑制してシミ・ソバカスの原因であるメラニン色素の生成を促すチロシナーゼの働きを強く阻害し、シミ・ソバカスができるのを体内から防いでくれます。また、グルタチオンには、強力な抗酸化作用で、シワ・たるみなどといった老化を防止する働きが認められています。
このところ美白効果が高いということでもてはやされていますが、グルタチオンは細胞の中でしか産生されないので、サプリメントで直接グルタチオンを摂取しても体内へは吸収されず、消化過程で分解されてしまうので、ほとんど意味がないということです。ならば美肌になる為に細胞内のグルタチオン濃度を高めるには、どうしたらよいかが重大な関心事になります。
ごく当たり前のことですが日々の食事にグルタチオンの産生栄養素であるシステインを含んだ食材と抗酸化作用のある食品の栄養素を逃がさない調理方法にて、バランスよく摂取することで十分と思われますが、加齢とともに不足しがちになることは避けられないようです。
クルクミノイドにグルタチオン・S-トランスフェラーゼという酵素を高める働きがあり、この転移酵素がシスチンを細胞内へ誘導、システインに還元してグルタチオン濃度を高めることが明らかにされています。
「熱帯ウコン」を豆レシチンと一緒に摂取することで、レシチンの膜浸透作用によってクルクミノイドが容易に細胞内に取り込まれ、この転移酵素を活性化してシステインを細胞内へ誘導し、グルタチオン濃度を高める働きが期待できます。
また、レシチンそのものが酸化されやすい細胞膜を強化して強い細胞組織と、その親油性により細胞内のコレステロールの掃除をしたり、血管内壁に付着したコレステロールや、血中の中性脂肪も溶解して、血液の流れを一段とスムーズにしてくれます。
このような理由からレシチンを含む「きな粉」と「熱帯ウコン」を一緒に摂取すると、よりよい抗酸化効果、あるいは肝臓で大豆の良質なタンパク質などを素に産生される物質の働きで、強い免疫効果が期待できるとともに植物性の良質なタンパク質やイソフラボン、サポニンといった栄養素が若々しい肌細胞にとって有効に活用されることが期待できます。 |