糖負荷させたラットやサルで生じる白内障の発症に対して、「クルクミン」、特に、「テトラヒドロクルクミン」が強力な予防効果を有することを明らかにすることができた。4週齢雄SDラットの水晶体をXylose,
Galactose,
Glucoseなどのいずれかを含有する培地でクルクミン、テトラヒドロクルクミンの存在下で培養したところ、いずれも水晶体混濁度が有意に減少、その効果はテトラヒドロクルクミンの方が強力であった。しかしなが
ら、ポリオール蓄積量には差がなかったことから、その機構は、アルドース還元酵素
阻害作用に基づくのではなく、抗酸化作用による可能性が示唆された。
◆〔名古屋大学大学院生命農学研究科 大澤俊彦教授〕